■ 宅建試験・完全合格マニュアル7 令和6年度受験版
❺ アウトプット編 その1
● 過去問演習の考え方
・宅建試験に限らず資格試験対策の学習のメインイベントは、過去問演習を中心にしたアウトプット学習です。テキストや解説講義などのインプット学習を繰返し行うことで知識の整理・吸収を行うことも大事ですが、最終的に本試験では問題を正答できなければ合格はできないからです。
・テキストに書いてあることが理解できても、過去問が解けるようにならなければ合格はできません。はじめての演習の際には、テキストを一読した後に、「このページの知識はどのような形で出題されるのか?」という視点で、解くのではなく、テキストと解説を参照しながら「これだけで合格する!宅建士試験過去問セレクト13年」を‘あたって’みて下さい。
「量より質の過去問演習」
「今日は何問解いて、そのうち何問正解した」というだけの自己満足になってしまわないように注意が必要です。
● 「3段階に分けて過去問を確実に解けるレベルに仕上げていく」という考え方
第1ステップ 「キーワードチェック」
・学習の初めの段階では、問題文から事例設定を読み取る訓練とその問題で何が問われているのか(=出題論点)を読み取る訓練が大事です。
・この作業を丁寧に行うことで、出題論点を明確に読み取る能力が身に付いてきますし、解法の手順が必要な問題を解く際にも、手順に沿って問題を解いていくことができるようになっていきます。普段から問題文中のキーワードにアンダーラインや波線を入れながら問題演習することが大事です。本試験のときや難解な問題のときだけ丁寧に対応しようとしてもできないです。
・梶原塾の塾生のフィードバックによると、本試験会場でも問題文にマーカーでキーワードチェックを行いながら解答したという塾生も少なくないです。意外かもしれませんが、梶原の経験した旧司法試験などにおいても、マーカーや色鉛筆を持参する受験者が多かったです。
第2ステップ 「図解」 「出題論点チェック」
・テキストの体系番号ごとに「完全合格講座」の解説講義を聴いた後に、その範囲(同じ体系番号)の「これだけで合格する!宅建士試験過去問セレクト13年」を使った一問一答形式の問題演習をマイペースで行います。A→Bの図解を行いながら丁寧に演習することで、問題文から事例設定を読み取る能力が自然に身についてきます。
・事例を図解できる能力があれば、あとは知識の当てはめ作業により充分に解答できる問題が多いですから、図解をできるようになるか否かが合否を別けるといっても過言ではないです。登場人物の権利関係の図解が必要なものについては、「これだけで合格する!宅建士試験過去問セレクト13年」の解説欄に図解を挿入していますので、解説欄の図解を書き写すことから始めることでマスターできるようになる作業だと考えています。始めから上手に図解できる受験者は少数派です。
・過去問演習を行う際には、テキストの記述と照らし合わせて、テキストの該当箇所に赤印を入れる「出題論点チェック」を行うのが大事です。「これだけで合格する!宅建士試験過去問セレクト13年」の解説欄にテキストへのリンク先ページが記載されています。この足跡を残す作業をすることで、頻出事項が一目瞭然になり、再度の復習も効果的に行うことができます。
・学習のはじめの段階では、「テキストを参照すれば、解答できる、自分に説明できる」レベルに到達することが目標ですので、知識をあてはめる作業は、あえてテキストを参照しながら行うことをおすすめしています。
①テキストを参照すれば、解答できる、自分に説明できる
②テキストを参照しなくても、解答できる、自分に説明できる
というふうに、本試験までの間に①のレベルから②のレベルへと段階的に仕上げていく作業をイメージしてください。テキストの該当箇所をすばやく開くことができるようになるのが大事です。そして、少なくともこの段階までは、「問題を正答できるかどうか、問題を解けるかどうか」なんて関係ないですから、できるだけ、「なぜ○になるのか、なぜ×になるのか」、一肢一肢の理由を探りながら学習を進めるのが大事です。
■第3ステップ 「上下左右の確認作業」 「関連項目の確認作業」
・過去問演習をしたら問題集の解説だけで終わらずに、テキストに戻っての「上下左右の確認作業」や「関連項目の確認作業」を丁寧に行うことが大事です。2回転目以降にこの作業を繰り返し行うことで、体系的な理解が深まってきます。関連項目については、テキストの「cf.・ex.・➩」などの表記によってリンクされています。
・宅建試験の「出題傾向が変わった・難化した」旨の本試験の講評を目にすることが多いですが、過去問をベース(題材)に「上下左右の確認作業」と「関連項目の確認作業」を手を抜かずに行うことで充分に対応できている範囲です。
・直前期になると、よく過去問は完璧と豪語する受験者がおられますが、そもそもの「原則」となる知識を問われると解答できない方が少なくないです。
過去問で直接問われた「例外」のみを復習して覚える学習を行っているのが原因だと考えられます。次に本試験で同じ項目から出題されるときには、「原則」や他の「例外」が問われることも少なくありませんが、「テキストに戻っての上下左右の確認作業」を行うことで、過去問の出題論点の理解が深まってきますし、他の関連項目も確認するようにすれば、科目全体のつながりが出てくるようになります。
・過去問演習を丁寧に行なうと、演習可能な問題数は限られてきますが、反対に、吸収できる情報量は多くなってきますし、点の知識を線で結ぶ学習にもなってきます。
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