2016年7月 7日 (木)

宅建試験対策、学習期間と比例しない合格率とやってはいけない「つまみ食い」の学習

多くの大手スクールでは、宅建試験対策講座の受験生を春生と夏生とに分類して、コース設定して講義を行なっています。

そして、一般の大手スクールでの講座では、春生の方が合格率が良くて、夏生の方がそれよりも劣るのが通常です。
物理的に夏生の場合は学習時間が少ないので、大手スクール側も、受験生側も当たり前のことように評価している場合が多いです。

僕自身、大手スクールの春前から始まる春生用の講座と8月に入ってから開講する夏生用の講座を受け持ってきましたが、僕が担当した講座に限っては、受講された生徒さんの合格率は変わりませんでした。

昨年は夏生のみの担当が無かったので一昨年のデータになりますが、どちらも60%の合格率でかわりがありませんでした。
もちろん、学習時間=回転数に比例して、夏生の得点は春生の得点より2点程度低くなっていますが、充分に合格圏内です。

一般的に夏生の合格率は春生よりも劣るのが通常なのに、僕の担当講座では、なぜそのような現象が起こらないのでしょうか。
理由は、春生であろうが、夏生であろうが、講義で取り扱う「知識量」を基本的に変えないからだと考えています。

合格に必要と考えられる知識については、必ず講義で取り扱うようにしているのが僕の講義のポリシーのひとつです。

お家に帰ってから過去問集を開いたとたんに、見た事も聞いた事もない知識が頻繁に登場するのは受験生にとって酷ですし、実際、テキストなどにまとめる作業も出来ないハズです。

もちろん、夏生の場合は限られた講義時間しかない訳ですから、ペースも速くなりますし、時間延長なども当たり前でやってきましたが、特別な方法でもないハズの僕の指導どおりの方法で学習された方は、皆合格されています。

残念ながら不合格となった20%の方は、自己管理できなかった方で、残りの20%は、いきなり4択で演習されたなどの指導どおりに学習をされなかった方だと分析しています。

本試験までの時間が限られているからといって、「つまみ食い」の学習をされても、運がよければ合格できる場合もありますが、実際のところは、知識量が足らずに「あと何点足らなかった」と後悔される場合が多いのではないかと思います。

「出るところだけ?学習」する「つまみ食い」の学習をされて、確実に合格できるのであればそれでも良いのでしょうが、「出るところだけ?学習」して合格できるのであれば、春生であっても「出るところだけ?学習」すれば良いことになってしまい、大手スクールの講座や市販本の構成自体が矛盾してしまいます。

これから学習を始める場合であっても、春生と同じ知識量を身に付けていかなければ、確実に合格できる可能性は低いです。

そんな事から、宅建梶原塾では、「出るところだけ?」の学習用の教材は作製しないことにしています。
どの時期から学習される場合でも同じ教材を使用し、全体を回転させる回数が変わるだけの構成をしています。

短い期間であっても、しっかり自己管理して間違いない方法で学習することができれば、確実に合格することは可能なのです。

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2016年7月 4日 (月)

宅建試験対策、間違いだらけの過去問演習の常識

僕は、宅建試験対策の過去問演習は「間違い探し」を行なうものだと考えています。
「正しいものを選べ」という出題ならば、誤っている箇所が4つの肢の記載の中に最低3箇所あることになります。
また、「誤っているものを選べ」という出題ならば、誤っている箇所が最低1か所あることになります。

この「間違い探し」を行なう手法ですが、
①問題文から必要なキーワードをピックアップして、何を問われているか?という視点で論点探しを行い、
②必要に応じて解法の手順に従って、そのキーワードの中から誤り(間違い)を見つけ出す作業を行なう方法です。

たとえば、ハートのカードの中に1枚または3枚のスペードのカードが混ざっているとします。
そして、そのカードの中から1枚または3枚のスペードのカードを探し出す工程をイメージしてみてください。
ハートのカードを一枚一枚確認するという考え方をするよりも、スペードのカードを瞬時に区別できるように訓練した方が効率的です。
一言で言えば、間違っているものを探し出す作業の方が効率が良いとの考えからです。

そして、③過去問を演習した際には必ずテキストに戻って、過去問で問われた点(=出題論点)については、「赤印」を付けて行く作業がおススメです。

この作業を繰り返す事により、知識を整理しながら身に付けていく事ができます。

テキストは読みっぱなしにして、過去問集だけを繰り返し行なう学習をされる方がおられますが、この手法では知識の整理をしていく事が難しくなります。

過去問の解答を暗記しているだけの丸暗記になってしまっている可能性がありますので、学習が進んで知識量が増えてくると、何の法律の知識だったのかすら整理できていない状態になってきます。

「テキストに書いてある事は理解できるのですが、いざ過去問を解こうとすると全く解けない」旨の悩みを持っている方は、体系的にまとめてあるテキストを購入して、①~③を実践してみられると効果が期待できるハズです。


宅建試験は、4択形式の出題が基本になっていますが、学習の始めの段階から4択形式の問題演習を行なう事はおススメできません。

問題演習を効果的に行なう方法ですが、テキストの記載に沿って、「この部分の知識はこのような形で問われるのか?!」という視点で、4択形式ではなく、一問一答形式で”あたって”みる事をおススメします。

始めから4択形式で演習しても、知識の整理をしていく事はできず、正解肢を覚えているだけの場合が多いです。

4択形式での演習を2~3度繰り返すと、その問題が何を問うているのかもわからないままなのに正解だけは出来るようになってきますが、それは、解答できているわけではなく、答えを暗記しているだけの場合が多いです。

毎年夏を過ぎたころに出現する「過去問は満点なのですが、答練や模擬試験では得点することができないのです・・・どうすれば良いのでしょうか?」と言われる受験生の大部分の方が典型例です。

また、一問一答形式での演習の場合の注意点ですが、本文部分の記載を「短くまとめて作り直した問題集」は、あまりおススメできません。

4択形式の問題は、本文部分の記載から事例設定などを読み取って、各肢の設問に解答しなければならない出題が多いです。

ですから、「短くまとめて作り直した問題集」は、学習の始めの段階では知識の確認が行ないやすいので有効だったりもしますが、ある程度の段階になってから使用することは避けた方が無難です。

事実上、答えが書いてある問題を解いて知識を確認しているようなもので、問題文から必要な情報を読み取って解法していく訓練にはならないからです。

特に、宅建業法などでは、本文部分から読み取る訓練が必要な設問が多いです。
見たことも聞いた事もないような知識からの出題はほとんど無いといっても良い宅建業法で、わかっていたハズなのに失点してしまうケースが多いのは問題演習の方法が原因なのです。

宅建業法は、それなりに学習していれば、知識的には充分なハズです。
けれども、「引っかかってしまった」とか「うっかり事例設定を読み落していた」とか、そういった理由で失点している場合がすごく多いのです。

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2016年6月30日 (木)

宅建試験対策、テキストへのマーキングの仕方について

宅建試験対策としてのマーキングの仕方には、コツがあるので、今回はそのお話です。
ちなみに、宅建梶原塾でも、テキストに黄色(薄色)のマーカーを入れることを推奨しています。


●論外の悪い例:「べた入れ」

不動産取得税の課税主体は、不動産所在の都道府県である

よく、悪い講師の例として「マーカー講師」などと揶揄されますが、この場合「べた入れ」であることが多いです。
ひどい場合は、一項目全体(数行~数十行)をマーキングさせる講師も存在します。
「こっからここまで」という感じで・・・
マーカーの入れ方次第では、ただ単にテキストを汚してしまい、かえって使い勝手が悪くなってしまうので注意が必要です。
この入れ方は、複数年受験者に多く見られる傾向があります。



●もうひとつ悪い例:「キーワードを単語と勘違い」

・不動産取得税の課税主体は、不動産所在の都道府県である

一見、キーワードをちゃんと抑えているようですが、次のような問題に引っかかってしまいます。 「都道府県」だけが判断できても解答できないです。

【例題】
・不動産取得税は,不動産の取得に対して,取得者の住所地の都道府県が課する税である。

【答え】 ×誤り
不動産取得税は、不動産の取得に対して、不動産が所在する都道府県が課する税です。

ex.福岡県に住んでいる者が熊本県内の不動産を購入した場合、その不動産の所在する熊本県が課税する。



●良い例:「単語と出題論点をひとつのキーワードとして抑えている」

・不動産取得税の課税主体は、不動産所在の都道府県である

簡単な例をあげましたので、この例だけみるとなんでもない事のようですが、試験範囲全体(特に宅建業法)で考えると、マーカーの入れ方ひとつで大きな差になってきます。

そして、キーワードは対になっていることが理想です。
不動産取得税は、同じ地方税の固定資産税と比較して学習しなければなりません。
ですから、固定資産税のページの該当箇所には、下記のようにマーキングすることになります。

・固定資産税の課税主体は、固定資産が所在する市町村である

この例をヒントに、自分なりに工夫してみてください!

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2016年6月27日 (月)

宅建試験対策、図解できないものを頭の中で考えて事例問題を解けるハズがない

宅建試験のような択一試験の問題文は、2つの部分から構成されています。 
①本文 ②肢1~4 の2つです。
まず、①本文で事例設定を行い、②各肢で事例設定を補足したうえで知識を問う問題構成が多いです。

ちょっと長くなってしまいますが、例をあげると・・・


「Aが、A所有の土地をBに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定よれば誤っているものはどれか。」
と本文部分で事例設定されます。

次に、各肢部分で次のように事例設定を補足したうえで知識を問われます。


「AのBに対する売却の意思表示がBの強迫によって行われた場合、Aは、売却の意思表示を取り消すことができるが、その取消しをもって、Bからその取消し前に当該土地を買い受けた善意のCには対抗できない。」

この問の解法の手順は・・・

①まず、本文部分より事例を図解します。 A→B
売買契約の事例の場合は、いつも売主を左側に書くことをルールにすると便利です。

②そして、肢部分の記載よりA→BのAの意思表示がBの強迫により行われた旨の事例設定の補足をします。

③ここで、この問の1つ目のお題を判断します。


「AのBに対する売却の意思表示がBの強迫によって行われた場合、Aは、売却の意思表示を取り消すことができるが・・・」旨の部分については、「強迫によって行われた意思表示は取り消すことができる」という知識により、ここまでの問題文の記載は正しいと判断できます。

④引き続き、2つ目のお題の処理を行います。


B→C売買がAの取消し前に行われていた旨の事例設定の補足をします。

⑤2つ目のお題を判断します。

Cは取消し前に登場した第三者なので、意思表示の「強迫」の規定で処理することになります

「強迫による意思表示は、第三者の善・悪にかかわらずに、取り消しを対抗できる」という知識により、問題文の「取消し前に当該土地を買い受けた善意のCには対抗できない」旨の記載が誤りであると判断できます。

⑥択一形式の問題は、まちがい探しをするわけですから、この肢の上記部分は誤っていると判断できます。

そして、本文より誤っているものはどれか?という設問ですから、この問の正解肢は、この肢であるという事になります。

ところで、実際には次のように簡単に図解することができます。


強迫の図解


   宅建 梶原塾完全合格講座・過去問解説集より転載

①②③④は、この肢の事例設定を時系列で表したものです。
この問では、③と④の順序も大きなお題になっているので図解する事で簡単に対処できます。(取消前の第三者・取消後の第三者)

このように問題文を図解すれば、事例設定が一目瞭然になったハズです。

宅建試験の本試験問題は、事例問題が多いのが特徴です。
そして、実際にはもっと複雑な事例が設定されることが多いですし、いつも売主がAで買主がBで第三者がCという設定であるとも限らないです。

これだけの情報量を頭の中で考えて正確に解答をだせるハズがありません。

そこで、僕はいつも講義中、とにかく図解することを重視して、解説することを心がけています。 
極端な話、大手資格試験受験予備校時代の答案練習会などでは図解を板書するのが仕事だと考えていました


講師でさえ、簡単に図解しなければうっかり間違ってしまう問題が多いのが現実であるのに、受験生の方が図解なしで確実に解答できるハズがありません。

逆に、図解さえできれば、問われている知識はインプットされている訳ですから、正確に解答する事もできるのです。

勉強の入り口段階では、大変な作業になるかもしれませんが、図解をできるようになるか否かが合否を別けるといっても過言ではありません。 
まずは、A→Bを図解することから始めてみてください。

勉強の入り口段階でA→Bを省略しているのに、複雑な事例だけを図解できるようになれるハズもありません。

宅建の本試験問題は、事例を図解できる能力があれば、あとは知識の当てはめ作業により充分に解答できる問題が多いです。

重箱の隅を突っつくような細かな知識を丸暗記する暇があれば、図解しながら問題演習を時間をかけて行って、確実に得点できる項目を増やしていくことが宅建試験合格への近道になるハズです。

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2016年6月21日 (火)

宅建試験対策、使えるテキストと決して使ってはいけないテキスト

「決して50点満点はねらわない!合格ライン+4 ±2点をねらう学習の進め」の続編にもなりますが、宅建試験対策の学習を行う際には、テキストだけでなく、過去問集の選択もすごく大事になってきます。

宅建梶原塾の過去問解説集の案内でもセールスコピーとして記載していますが、「合格に必要な過去問だけを選別して・・」などと謳っている教材が最近すごく目に付きます。その事が本当であれば、受験生にとってはすごく良い事になりますが、残念ながら不当表示?まがいのものも見受けられるのが現状です。

不当表示?まがいと言った理由ですが、その①普通の講師ならば、「宅建試験では不要」と考えている項目の知識が掲載されていることです。
権利関係法令の民法などに多いですが、動産の物権変動や債権譲渡の対抗要件や相殺や根抵当権etc・・・
出版元の学校の講義を受講すると事実上カットされているような項目であっても、市販されている過去問集には掲載されていたりします。
前に他のバイブルでも書きましたが、結局”保険”を掛けていると考えられるわけです。
どこをカットするか否かはその指導機関の裁量ですから文句は言えませんが、少なくとも「合格に必要な過去問だけを選別して・・」と謳うにはちょっと無理があると思います。

また、その②普通であれば、同じ論点を問うている「焼き直し問題」であれば、直近に出題されたものをセレクトするのが普通だと思うのですが、2~3年の間は掲載されている問題が基本的に変更されていなかったりします。
このような過去問集と同じシリーズのテキストを拝見すると、かなり詳しく記載されている方に分類されるテキストでも、ここ2~3年に出題された過去問知識の記載がない事が多いです。
逆に、それ以前のものは詳しく書かれていたりするのですが、おそらく必要な改定を行っていないのだろうと推察しています。

では、どうすれば上記のようなテキスト・過去問集を見分けられるのか考えてみましたが、残念ながら法律の初学者である現役の受験生には至難の業だと思います。
ここで、僕が○○のテキストは良いとか、悪いとかの僕の評価を具体的に書くこともできないです。

でも、別の視点で、テキストや過去問集の選択のヒントはあります。
独学の場合は、春前から販売されいるものは避けた方が無難です。
法律は毎年改正されますので、改正に対応したものを使用するのがベストですし、春以降に出版されたものを選択すれば改正法に対応しているものが多いです。
それ以前に出版されたものでも、「追録」で対応できることになっていますが、わざわざ面倒な作業を負担することは、避けた方が効率が良いのは明らかです。

ネット上を徘徊していると、「昨年のものは使っていいですか?」旨の書き込みを見かけますが、本代を渋る前に、作業にかかる自分の時給を換算してみるのも一考です。
元々宅建試験は2年も3年もかけて準備する難関といわれる試験ではありません。
昨年必要なことをできずに不合格になった自分へのペナルティだと考えて、新しいものを購入されることをおススメします。

僕は、毎年自分の司法試験用の六法2冊と不動産六法その他を購入していますが、これだけはケチらないように自戒しています。

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2016年6月17日 (金)

宅建試験対策、はじめから何でもできる人なんかいないです!

宅建試験は、これまでの学校などでの成績がどうであれ、誰でも「自分に必要なことを間違いのない方法で継続し続ける」ことができれば、合格という結果を残すことができる資格試験です。

大手資格試験受験予備校での委託講義での経験上、漢字の読みが苦手だとか、「以下」と「未満」の区別ができないとか、分数の計算ができないなど、学生時代に勉強ができなかった(=しなかった)タイプの生徒さんであっても、その気になれば講義について行けるようになって、合格という結果を残されています。

よくお題にされる文書読解力なんかも、へたくそな文章で長々と書いている「宅建受験のバイブル」や「専任講師のブログ」をここまで読んでくれる読解力と根気があれば、それで充分です。

逆に、一流といわれる大学や会社の肩書きがあるような方でも、舐めてかかると落ちてしまうのが宅建試験です。
要は、その人に必要なことを継続して行うという、本人のやる気(自己管理能力)次第なのです。

誰が言い出したのか知りませんが、「たかが宅建、されど宅建」です。

もちろん、中途で挫折してしまう方もたくさんおられますが、継続できるか否かが分水嶺です。
宅建試験に合格して、自分に自身が持てるようになったという方や何かのきっかけになったという方もたくさんおられます。

たとえ人より1・2年余計にかかったって良いじゃあないですか?!

うまく表現できないですが、宅建試験というのは、単なる「資格」としての価値だけではなく、それ以上の何かを包含している部分のほうが大きいように感じています。

だから、宅建の講師をやめられないのかもしれません。

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2016年6月14日 (火)

宅建試験対策、知識の氾濫に溺れないで!情報処理の能力が合否を左右する その2

宅建試験対策の学習で、メリハリを付けた学習を効率的に行っていただくために、毎年受講生の本試験結果を肢単位で分析しています。

そうすると、正解率が60%を超える問題が7割あるのが通例です。
言い換えると、正解率が60%を超える問題だけで35点獲得することができるのです。

そういった意味においては、宅建試験対策の予備校等をうまく利用されることをおススメしますが、カットしたところが出題され、その結果クレームになることを恐れる予備校や講師が多く存在し、僕のように「保険を掛けない」講師は少数派であるのが現状であるのは、業界関係者としてちょっと寂しい気がします。

したがって、利用されている予備校等が、なんでもかんでも知識を追加してくるような所であれば要注意という事になります。

予備校等の選択のヒントですが、予備校が毎年発表する解答速報を参考にすると、各予備校の指導方針が読み取れることがあります。

正解率が問題ごとに大きく変動している予備校と、全体的に均一な予備校とがあります。前者の場合のテキストは結構タイトに構成されていて、後者の場合のテキストは、やたら詳しすぎたりする傾向がありますので、調べてみる価値はあると思います。

僕は、これまでに2つの大手予備校での宅建試験対策の委託講義で4種類の基本書を使って講義してきました。
もちろん、担当講義では、必要に応じてカットしたり、補足したりしてきましたが、その経験上、このような傾向が出ていることはあきらかなのです。

もちろん、詳しすぎるテキストを使用すると合格できないと言っている訳ではありませんし、タイトすぎるテキストも好ましくないのは当然です。

要は、バランスの取れているか否かの問題なのです。
本屋さんで売っている人気のある市販本も含めて、「効率よく学習して確実に合格するために」バランス良く作製されているテキストは限られているのが現状なのです。

バランス良く、そして、効率的に学習するためにもテキストや予備校の選択は、すごく大切になってくるのと同時に、情報処理の能力が合否を左右してくるのです。

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2016年6月11日 (土)

宅建試験対策、知識の氾濫に溺れないで!情報処理の能力が合否を左右する その1

宅建試験対策の予備校を利用する受験生の場合を例にすると、本試験までの間に、受講生の方に提供される情報(知識)は、膨大な量になり<ます。

分類すると、①テキスト ②過去問集 ③答練 ④模擬試験 ⑤まとめ集などですが、①~⑤で提供される情報が全てテキストに記載されているわけではないのです。

したがって、バラバラに分散している情報を効率よく学習するためには、少し作業が必要になってきます。

具体的には、たとえばテキストに記載のない知識が②過去問集で登場した場合には、その知識をテキストに書き込んでいって、「ひとつにまとめる」作業が必要になりますし、重複している内容は、整理してひとつにまとめる作業が必要になります。

書いてあるものにまとめることができないのに、頭の中にまとめることができるハズがありません!

「過去問は完璧なのですが・・・」と言われる毎年2・3点に泣いている方が典型例なのですが、問題集を拝見させていただくと、ほとんどの場合、問題集の解説欄にマーカーがされているだけで、テキストへの書き込み(情報の一元化)等ができていないことが多いです。

要は、情報の一元化ができていないために、頭の中には知識としてインプットされてはいるものの、過去問と少し違った問われ方(アプローチ)をされるとお手上げ状態になってしまっているという事です。

この事は、複数年受験生の方に多く見られる傾向なのですが、予備校を利用されない独学の方にも同じ事が言えます。
確実に合格するためには、情報の一元化が必要不可欠となります。

また、僕が、「情報の整理」ではなく、「情報処理」という言葉を使うのには訳があります。合格するために必要でない知識をカットする(処理する)作業が必要になるからです。

①~⑤で提供される情報の全てを消化していては、相当な労力が必要になります。

ハッキリ書くと、提供された情報全てについて、まともに対応していたら、一発合格できる可能性はかなり低くなり、再受験という結果になりかねません!

宅建試験の出題範囲は他の資格試験と比較しても「かなり広い」と言えます。
効率よく確実に合格するためには、必要でない知識をカットすることにより、必要な知識のみをしっかり、メリハリを付けた学習をする事が大事です。・・・つづく

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2016年6月 7日 (火)

宅建試験対策、丸暗記は本試験でも実務でも役に立たないものが多い! その2

ところで、僕がこれまで推奨してきた宅建試験対策の勉強法も丸暗記を完全否定しているわけではありません!

③理解するには相当な労力が必要なため、暗記で対応したほうが効率的な知識については、丸暗記を推奨しています。

民法などが代表例ですが、丸暗記は、ある意味最終手段だと考えています。
法令上の制限なども、①②で対応できる部分がほとんどです。
僕の講義では、あらかじめ、生徒さん全員に共通して暗記で対処する知識を数ヵ所だけ指摘しています。

それプラス、各個人の判断で、夏以降の時期に暗記で対処する項目を絞ってもらっています。
「できるだけ理解すること」は重要ですが、各個人それぞれ不得意な分野はあるわけで、苦手な所は、丸暗記して対処するのが効率的であると考えているからです。

ただし、大前提となることがあります。
丸暗記で対応するにせよ、少なくともその問題がどの科目のどの項目のことを問うているのかは理解しなければなりません。
そして、暗記した図表などを正確に当てはめる作業ができなければ、得点はできないことになります。

また、実務的に見ても、丸暗記で合格された方は、「重要事項の説明」が事実上できない方がほとんどです。

事実上と書いたのは、勉強不足のため、お客さんに対して嘘の説明をしてしまっている取引士が多いからです。
最近は事前に知識を仕入れてくる勉強熱心なお客さんも多く、信用を失ってトラブルになるケースも多いのが業界の実情です。

嘘の説明をしてしまう理由は、明らかです。受験時に体系的に頭に整理せずに、丸暗記で知識を詰め込む学習をした弊害です。

こう言った反射的に勘を頼りに解答するようなやり方でも運の良い方は合格されますが、確実に合格するための手法としては、やっぱりおススメできないということになります。

もちろん、「試験に合格してから勉強すれば良い」との考え方もあるようですが、仮に、「丸暗記」で合格することが簡単にできて、「できるだけ理解すること」がすごく大変な事であれば、たしかに一理あるとも言えます。

しかし、実際には「できるだけ理解して、知識として定着させること」、その結果、「丸暗記で対応する項目を減らしていく」勉強法を選択したほうが、効率よく確実に合格することも出来て、私的には、おススメしたくなるわけです。

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2016年6月 3日 (金)

宅建試験対策、丸暗記は本試験でも実務でも役に立たないものが多い! その1

宅建試験対策の学習で、丸暗記ほど勉強していて面白くないものはありませんし、丸暗記で対応できる本試験問題は、本当のところ少ないです。
問題文を読んで、何を問われているのか理解できなければ、暗記用に作成された図表を丸暗記しても役に立ちようがないからです。

では、どうすれば確実に合格点を取れるようになるかと言えば、
まず第一に、とにかく「理解」しようとすることです。
「丸暗記」も「理解」も「記憶」という言葉を使えば、覚えるという点では同じ事になるのかも知れませんが、必要とされる脳のメモリーもちがってきます。
限られた脳のメモリーを有効に活用し、「効率よく学習する」ためにも、できるだけ理解して対応し、最終的に丸暗記していく箇所を減らしていく作業が重要になります。

実は、この考え方は僕のオリジナルなものではありません。
少なくとも法律系の資格試験対策としてはスタンダードな考え方です。
何故か宅建試験だけが、実際には合格できる可能性が極端に低い「丸暗記」という手法が、「楽に合格できる方法?」としてもてはやされています。

また、「理解する」という言葉を使ってはいるものの、その実態は、受け手が理解できるだけの解説もない参考書や講座が多いのも現実です。
初学者に対してのセールストークとしては、これ以上のものはないのでしょうが、肝心の”合格”という結果が期待薄なのであれば、私としては、受講生におススメする訳にはいかないのです。

「丸暗記で対応する項目を減らしていく」作業が重要と書きましたが、書店に並んでいる市販本などを拝見していると、とにかく丸暗記のオンパレード型が多いのが実情です。
択一試験などの経験が豊富で要領の良い方や記憶力がズバ抜けて良い方などは、そういった丸暗記に頼った勉強法で合格できるのでしょうが、一般的な受験生には効率の良い方法だとはいえないのです。

宅建試験の本試験で問われる知識は、
①暗記しようとしなくても過去問やテキストを反復しているうちに、当たり前になってくる知識、
②理解しようと試みれば、理解することが可能な知識、
③理解するには相当な労力が必要なため、暗記で対応したほうが効率的な知識
などに分類することができます。

①~③の知識を全て「丸暗記」で対処して本試験に合格できるのであれば、それはそれで良いと思いますが、実際には、そういった勉強法で合格できている受験生は、経験上、かなりの少数派なのではないかと考えています。・・・つづく

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